セレッソ大阪堺レディース総括
リーグ戦までの総括となります。悲願の1部昇格を果たすも、勝点8で最下位となり2部降格となった昨シーズンからの巻き返しを図った今シーズン。5月以降は怪我人に苦しみ、シーズン終了までベストメンバーのうちの2人~3人が離脱した形が続いたが、終盤の追い上げで最終節まで優勝を争い、入替戦進出となる2位でシーズンを終了。入れ替え戦では元日本代表の横山久美擁するAC長野パルセイロ・レディースと対戦。入れ替え戦でもセンターバック2人が負傷離脱をしたが、アウェイゴール1点を守り抜きドローで試合終了。アウェイゴールの差で1年での1部復帰を果たした。
今回は主にピッチ外の総括、またガールズの総括。
スタッフ異動
2013年シーズンより監督を務めた竹花友也氏が退任(U-23コーチに就任)。18年シーズンはガールズ、アカデミーを担当した小松塁氏がセレッソ大阪U-15に異動。
レディースの監督にはガールズ監督の岡本三代氏、ガールズ監督には池田昌弘氏が就任。また新たなコーチングスタッフとして、コーチ兼アカデミー監督として、岡山湯郷ベルやノジマステラ神奈川相模原の下部組織を率いていた長谷川歩氏、セレッソ大阪スクールコーチの家崎幹哉氏を迎えた。
プレーヤー編成
最大のトピックは、18年シーズンまで背番号8番を背負った松原志歩がアルビレックス新潟へ期限付き移籍をしたことだろう。昨年の働きが他クラブから評価されたことは素直に嬉しいし、今後のことを考慮すると、他クラブへの移籍が更に活発になった方が、チーム運営としては健全ではある。
その他としては、昨年ガールズでキャプテンを務めた宮本光梨、掛け持ち状態だった田畑晴菜、昨シーズンチャレンジ入替戦まではガールズ登録だった森中陽菜、藤原のどかがレディース登録。GK運営を円滑にする為、4月より福永恵梨香をガールズ登録とした。
大阪学芸高校
これもトピックのうちの一つになるのが、2種登録制度。昨夏に大阪学芸高校女子サッカー部所属選手を、2種登録選手として登録できる制度に登録。昨年も最終節に大阪学芸高校のGK石田心菜がリザーブ入りを果たした。
大阪学芸高校との関係性をもう少し具体的に述べると、そもそもセレッソ大阪L&Gの高校生だけでなく、U-18の選手も1学年に複数人在籍している。またスポンサーとしてJ1リーグのサポーティングマッチ実施など、クラブとしての関わりはもちろんのこと、大阪学芸女子サッカー部の練習拠点が南津守グラウンドであること、監督がセレッソ大阪元監督で派遣扱いの副島博志氏が務めているように、元々の関係性は深い。
昨年は石田が1試合リザーブ入りしただけだったが、今シーズンはその石田が終盤に正GKの座を掴み、FW岩本まりのが第9節で決勝ゴールを挙げるなど大活躍。石田以外はサッカー部をメインとした活動だったので、活動時期は限定的だったが、彼女達無しではカップ戦優勝、昇格は不可能だった。
入場者数
今季平均入場者数は469人で昨季から-257。同じく2部だった17年は458人と、ここを比較すると若干プラス。17年のJ-GREEN堺開催(単独主催)の平均が343。今シーズンの単独主催(高知開催除く)の平均が430人と、単純計算ではあるが2シーズン前よりも固定層が約90人、もう少し低く見積もっても約70~80人は増えている。
昨季のJ-GREEN堺開催が638人だが、1,422人を動員したホーム開幕戦を除くと508人であるところを見るに、昨比だと減ってはいるものの、一昨年、昨年と今年の3年間を通しで見た場合、引き続き足を運ぶ人は増えているとみてもいいだろう。
プロ化に向けて
2021年よりプロ化となり、おそらくセレッソ大阪堺レディースも参戦表明はするだろう。ただそうなると、どれだけ最低でも平均入場者数1,000人は必要になるだろうし、それでも足りない。
長居公園を本拠地としているセレッソサポーターからすると、J-GREEN堺までのアクセスが面倒と思うのも凄く分かる反面、例えばシャトルバスを出そうにも、シャトルバスの待機場所がかなり限られる。またインターハイや高体連の選手権などがある時は、駐車場が満車になることは確実で、そうなった場合はS1(セレッソ開催グラウンド)から徒歩15分程の臨時駐車場に停めなければいけないなど、J-GREEN堺特有の問題がある。
長居球技場の改修工事が終われば解決する部分ではあるが、それありきで物事を進める訳にもいかないだけに、J-GREEN堺で開催するならば、なんらかのアクションは必要になるだろう。
また昨シーズンより、グッズ購入者等の特典で、試合後にサイン会を開催。ただし、気温が低い日の試合直後の選手にサイン会を開催することや、募金活動をさせるこれに関しては議論の余地があるだろう。プロモーションに割くことができる予算がかなり限られているだけに、選手を起用すること自体は致し方ないが、選手の健康第一優先であるならば、少なくとも募金活動に関してはあり得ない。
セレッソ大阪堺ガールズ総括
ここからはガールズの総括。レディースに関してはまた後日。
ゴールキーパー
1stは福永、2ndは主に中園が務めた。レディースよりも最後方からのビルドアップを重要視していることもあって、視野の確保や足元の技術を求められることも多く、福永にとってはプレーヤーとしても、また育成面においても実りのある半年間であっただろう。
開幕前、本来ならば山下と正ゴールキーパーを争う立場の福永をガールズ登録したことに当初は疑問を抱く人もいただろうが、結果的に彼女無しで残留は成し遂げることは無理だったかもしれない。
センターバック
岡村を中心に荻久保、松本奈、吉田が務めた。失点数そのものは多いが、荻久保の年代別代表での活動時の大量失点や、バランスを崩して得点を奪いに行った結果の失点など、やむを得ない失点も多かったので、マイナスの印象はそこまで無いが、集中力を欠いたプレー(ヒューマンエラー)が少し多く、そこからの失点が目立ったのも事実。
ボランチ
ゲームキャプテンの河岸、松本奈を中心に編成された中盤。昨シーズンは途中から運動量が落ちることが多かった2人だが、今年はフィジカル面での課題を克服した印象。まだまだトータル的にみれば物足りなさはあるものの、スピードや裏抜けに特徴のあるFWが数多くいる。このポジションの競争を勝ち抜くには、オンザボールでの判断の良さがより必要になる。
サイドバック/サイドハーフ
残留を近づけるロングシュートを放ち、高精度のプレスキックを放つ山内や、スピードのある白垣など、右サイドを主戦とする選手はこの1年でかなりの経験を積むことが出来た。また左サイドでは小山、高和が中盤からレディースで活躍。百濃も終盤に復帰し存在感を発揮した。浅山は9月に年代別代表に選出されるなど、ガールズでのパフォーマンスが評価される形となった。
昨シーズンは13ゴール中のほとんどに森中陽菜が絡んだチーム、逆に言えば森中以外での得点はヒューマンエラー任せだったが、今年は複数人でサイドを崩してフィニッシュに持ち込むシーンも多く、攻撃面ではかなり充実したシーズンを過ごせただろう。
課題はやはりフィジカル面。中学2年生と大学生以上のマッチアップになるので仕方ないが、1対1の構図を作られるとやはり厳しかった。
セカンドトップ/センターフォワード
昨シーズンより主軸となり、年代別代表でも活躍する浜野が主戦。もう1枠を松本歩、木原、中谷、丸井、楠が入ったが、浜野が年代別代表及びレディース帯同で、終盤戦及び順位決定戦最終節は欠場するなど、他の選手の奮起も求められたシーズンとなったが、チームランキング2位タイの4ゴールが高和と、シーズントータルタイムが154分の北原、3ゴールを挙げたのが2列目起用がメインの加井と、ボランチの河岸というのを見ると分かるように、浜野以外の組み合わせだと得点力が低下してしまったのは課題。
(プッシュするだけだったが)ガールズ初得点を順位決定戦最終節で決めた楠、その順位決定戦で残留を決めるゴールを挙げた木原、今シーズンはU-15がメインだったが、レディースの入替戦でスタメン出場を飾った北原など、スピードや裏抜けに特徴のある選手が多いだけに、来季はある程度メンバーを固定して、実績を積みたいところ。
総括
最下位になっても入替戦で勝てば残留が出来るチャレンジリーグではあるが、仮に降格した場合、昇格にかなりの労力を使うことになる。関西リーグとチャレンジリーグでは実力差が大きいこともあるが、プロ化が本格化する前年に、チャレンジリーグ残留が出来たのは、かなり大きい。複数人の卒業(レディース昇格含め)は見込まれるが、中学2・3年生が今年一定の出場機会を得ることが出来たのはかなり大きい。
もちろん、中学生が一定の出場機会を得ることが出来たとはいえ、今すぐにトップチーム(ここでいうレディース)に上がることが出来るという訳ではない。皇后杯では中学生が多かったとはいえ、大阪学芸高校に完敗。この試合に勝てばレディースとの対戦の可能性もあっただけに、ここ一番での勝負強さは未だに身についていない。
来季への展望となるが、年々選手が増えるに伴い、レディースで出場機会を失う選手も発生してくる。また2021年よりプロ化に伴い、プロ契約の意思が無い選手(短大・4年制大学卒業を機にサッカーを引退し就職等...)の処遇もクラブとして考慮する必要はある。
あくまで個人的な意見ではあるが、一定の年齢に達した場合、全員が全員プロを目指す集団である必要はないと思う(無論入団時はそこを目指す必要はあるが)。これは大学生・短大生に限る話だが、レディースでの出場機会が無い、トップリーグのフィジカルに苦労したまま引退するくらいなら、ガールズである程度出場機会を得た上で、年長者としてチームを支えるという選択肢を作っても良いと思う。
来季への展望となるが、年々選手が増えるに伴い、レディースで出場機会を失う選手も発生してくる。また2021年よりプロ化に伴い、プロ契約の意思が無い選手(短大・4年制大学卒業を機にサッカーを引退し就職等...)の処遇もクラブとして考慮する必要はある。
あくまで個人的な意見ではあるが、一定の年齢に達した場合、全員が全員プロを目指す集団である必要はないと思う(無論入団時はそこを目指す必要はあるが)。これは大学生・短大生に限る話だが、レディースでの出場機会が無い、トップリーグのフィジカルに苦労したまま引退するくらいなら、ガールズである程度出場機会を得た上で、年長者としてチームを支えるという選択肢を作っても良いと思う。
WEST上位だった名古屋が常盤木学園高校、福岡の入替戦の結果、EASTへ移動。おそらく年代別代表やレディース帯同もあって、ベストメンバーがなかなか揃わないかもしれないが、少なくとも5~8位決定戦に挑める順位でWESTを終えたいところではある。
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